広めの土地で二世帯住宅を検討されている方には、「別棟二世帯住宅」も視野に入れられます。
ほかのタイプの二世帯住宅と比べて、どのような特徴があるのか、別棟二世帯住宅のメリット・デメリットをまとめました。
別棟二世帯住宅とは
別棟二世帯住宅とは、同じ敷地内に親世帯・子世帯それぞれの家を建てることを指します。
二軒の家を建てるため、それなりの広さがある土地が必要ですが、たとえば親世帯の土地に子世帯の家を建てられるのであれば土地代は不要になるなど、コストを抑えることも可能です。
敷地は同じでも互いのプライバシーを守りやすく、隣近所の感覚で暮らせるのが特徴でしょう。
別棟二世帯住宅のメリット
別棟二世帯住宅は、両世帯がまったく別の生活空間で暮らすため、プライベートの時間を確立しやすい点が魅力の一つです。
生活空間をともにする二世帯住宅と比べれば干渉することも少ないですし、近くに住んでいるという安心感もあります。
二世帯住宅を検討する際は、将来のこともある程度、見据えておく必要があるでしょう。
その点で別棟二世帯住宅は、将来どちらか使わなくなった家の「相続や売却がしやすい」という点もメリットとして挙げられます。
一棟の二世帯住宅より二棟の建物の方が遺産分割はしやすくなり、相続トラブルが起きにくくなります。
売却する場合でも売り手が付きやすいですし、賃貸の戸建住宅として貸し出すことも可能でしょう。
別棟二世帯住宅の注意点・デメリット
別棟二世帯住宅を建てるときの注意点は、建築基準法などの「法律を確認すること」。
特に建ぺい率には注意しましょう。
たとえば親の土地に子世帯の家を建てる場合、親世帯の家が建ぺい率ギリギリで建っていたら、子世帯の家を建てる隙がありません。
どれくらいの余裕があるか事前に確認しましょう。
また、更地に両世帯の家を一から建てる場合には、二軒分の建築コストがかかります。
建物の形状によっては登記費用も二軒分が必要なこともありますし、住み始めてからの光熱費や維持費などもそれぞれかかりますので、シミュレーションを行ったうえで検討することをおすすめします。
二世帯住宅には補助金も
建築コストを少しでも抑えたい方は、国や自治体が用意する補助金を活用するのも一手です。
たとえば、期間限定の補助金制度ですが「すまい給付金」という国の制度があります。
令和3年(2021年)12月までに住み始めた方が対象で、最高50万円の補助金が受けられます。
また、二世帯住宅だと補助額が多くなる「地域型住宅グリーン化事業」「長期優良住宅化リフォーム推進事業」という国の制度もあります。
ただし、二棟が渡り廊下でつながっているなど一体の建物だと認められなければ補助金を受けられない制度もありますので、事前に確認しましょう。
まとめ
広い敷地がなくても隣地が空いているなど、別棟二世帯住宅を実現する方法はさまざまです。
この場合、土地の所有権もそれぞれの世帯に与えられますから、遺産分割や売却も容易になるでしょう。
このように将来のことも考えながら、どんな二世帯住宅を建てるのがいいかを親子間で協議し、互いが安心して暮らせる家を検討してきましょう。