間取りによって、さまざまな形式がある二世帯住宅。
そのなかで、もっともシンプルなかたちが「融合二世帯住宅」です。
融合二世帯住宅とは、どのような家をいうのでしょうか。
メリットやデメリットを含めて紹介しましょう。
融合二世帯住宅とは
融合二世帯住宅は「完全同居型」ともいわれ、リビングやキッチンなど生活空間をほぼすべて共有する二世帯住宅を指します。
基本的には、どのスペースも親子両世帯で使うかたちですが、最近ではサブキッチン・サブリビングなど、世帯別に設ける融合二世帯住宅も登場しています。
両世帯のコミュニケーションが取りやすい一方で、プライバシーを守るのが難しいといった側面もあります。
融合二世帯住宅のメリット
融合二世帯住宅は、「建築コストを抑えられる」ことが最大の魅力です。
間取りや設備はすべて一つですから、分離二世帯住宅のように複数そろえる必要はありません。
ほかのタイプの二世帯住宅よりも、両世帯が同じ空間で過ごす時間は長くなることから、「光熱費の削減」も期待できます。
電気やガスなどの契約も一本化することで、基本料金も一軒分で済みます。
融合二世帯住宅の注意点・デメリット
一方、融合二世帯住宅のデメリットは、「プライバシーを守りにくい」ことが挙げられます。
両世帯の部屋は確保されるものの、行き来は自由にできますし、それぞれの時間を過ごしにくいという点で息苦しさを感じることもあるでしょう。
また、両世帯のライフスタイルが大きく異なる場合も注意が必要です。
寝室が隣同士の場合は帰りが遅いと迷惑をかけることもあるでしょうし、生活音や匂いがストレスを溜め込む一因につながるケースも考えられます。
二世帯住宅には補助金も
一般的な戸建住宅と比べ、二世帯住宅は建坪面積が広く部屋数も多いため、建築コストが高くなりがちです。
そこで、国や自治体が用意する補助金制度を活用することも検討してはいかがでしょうか。
たとえば、国が用意する「地域型住宅グリーン化事業」は、指定の地域工務店で省エネや耐久性に優れた木造住宅を建てるといった場合、最高185万円の補助金が支給されます。
さらに、二世帯住宅なら一定の条件を満たすことで最高30万円が加算されます(二世帯住宅の加算は、キッチンやバスルーム、トイレなどが建物内に2つ以上あるといった要件を満たす必要があります)。
このほか、国は「すまい給付金」「長期優良住宅化リフォーム推進事業」などの補助金制度も用意しています。
また、自治体も独自の補助金制度を設置しているところもありますので、チェックしてみましょう。
まとめ
かつての日本では、祖父母・父母・子の三代が同じ屋根の下で暮らす光景がよく見られました。
しかし戦後、核家族化が進み、親子でも価値観やライフスタイルが異なることが当たり前になってきています。
こうしたなかで、互いがストレスフリーで暮らしていくには、どのような二世帯住宅を建てれば良いか、親子間でしっかり検討していくことが大切です。